重いダンベルじゃないと筋肉はつかない?理学療法士が“軽い重量でも筋肥大できるのか”をわかりやすく解説


こんにちは、おなす君ことおなすな先生です🍆
「筋トレは重い重量じゃないと意味がない」
「軽いダンベルを回数多くやっても筋肉はつかない」
「女性や初心者は軽い負荷しか扱えないから不利なのでは?」
こんなふうに思ったことはありませんか?
結論からいうと、
筋肉を大きくしたいだけなら、軽い重量でも“しっかり追い込めれば”高重量に近い効果が出る可能性があります。
一方で、最大筋力を伸ばすなら高重量の方が有利です。これは2015年研究で、鍛えている男性を対象に、低重量高回数と高重量中回数を比較した結果として示されています。
つまりこの記事のポイントは、
「筋肥大」と「筋力向上」は少し違うということです。
この記事の結論
- 筋肥大だけを見ると、低重量でも高重量でも差が出にくかった
- スクワットの筋力向上は高重量群の方が大きかった
- 上半身の筋持久力は低重量群の方が伸びやすかった
- つまり、目的によって最適なやり方が違う
- 初心者や自宅トレの人にとっては、軽い負荷でも十分チャンスがある研究
この研究はどんな内容だったの?
この研究では、筋トレ経験のある若い男性18人を対象に、8週間のトレーニングを行っています。参加者は筋力の初期値をそろえたうえで、次の2グループにランダムに分けられました。

低重量群
- 1セットあたり 25〜35回
- 軽い重量で高回数
高重量群
- 1セットあたり 8〜12回
- 重い重量で中回数
どちらの群も、
- 全身の主要筋群を対象にした 7種目
- 1種目あたり3セット
- 週3回
- 8週間
という条件で行われました。
結果はどうだったの?
ここが一番大事です。
1. 筋肉の大きさは、どちらも増えた
研究では、上腕二頭筋、上腕三頭筋、大腿四頭筋の筋厚が測定されました。
その結果、低重量群でも高重量群でも筋肉の厚みは有意に増加しました。しかも、群間の有意差は認められませんでした。
具体的には、
- 上腕二頭筋
- 低重量群 5.3%
- 高重量群 8.6%
- 上腕三頭筋
- 低重量群 6.0%
- 高重量群 5.2%
- 大腿四頭筋
- 低重量群 9.3%
- 高重量群 9.5%
という変化でした。数値にばらつきはあるものの、統計的には筋肥大効果に大きな差はなかったという解釈になります。
2. 筋力は高重量の方が有利だった
一方で、バックスクワットの筋力向上は、高重量群の方が有意に大きくなりました。
増加率は、
- 高重量群 19.6%
- 低重量群 8.8%
でした。ベンチプレス1RMでも、高重量群の方が伸びが大きい傾向がありました。
つまり、
“重いものを持ち上げる力”を伸ばしたいなら、やはり重い重量で練習する方が有利
ということです。
3. 持久力は低重量の方が有利だった
上半身の筋持久力は、ベンチプレス50%1RMで限界まで行うテストで評価されました。
この結果は、低重量群の方が大きく改善しました。
これは直感的にもわかりやすくて、普段から高回数で鍛えていれば、高回数に強くなる
ということです。
この研究から何が言えるの?
この論文をわかりやすく一言で言うと、
筋肉を大きくしたいなら、軽い重量でも追い込めば可能性は十分ある。
でも、重いものを挙げる筋力を伸ばしたいなら高重量が有利
ということです。
これは、筋トレの世界でよくある
- 重量がすべて
- 軽い負荷は意味がない
- 高回数は無駄
という考え方を、かなりやわらげてくれる内容です。
理学療法士の視点で見ると、かなり実用的な研究
この研究がいいのは、単なる理論ではなく、実際に筋トレ経験のある人で調べているところです。つまり、初心者だけにしか当てはまらない話ではなく、ある程度鍛えている人にも参考になる内容です。理学療法士として見ると、特に価値が高いのは次の点です。
1. 関節に不安がある人にも希望がある
高重量が扱えない人でも、軽い負荷でしっかり行えば筋肥大を狙える可能性があります。
これは、膝や腰に不安がある人、自宅トレ中心の人にとってかなり大きいです。
この研究自体は治療目的ではありませんが、高重量しか正解ではないわけではないという考え方は臨床的にも役立ちます。

自分はケガ予防に低負荷で高回数をHIIT形式でやってます
2. 女性や高齢者にも応用しやすい
この研究対象は若い男性なので、そのまま女性や高齢者に当てはめるのは注意が必要です。
ただし、「軽い負荷でも意味がある」というメッセージは、筋トレへのハードルを下げてくれます。これは一般の健康づくりではかなり重要です。
3. 自宅トレでも諦めなくていい
ジムで重いバーベルが使えなくても、
- 軽いダンベル
- チューブ
- 自重
- 高回数
を使って、かなり良い刺激を入れられる可能性があります。
特にボディメイクや健康維持が目的なら、十分現実的です。
じゃあ「軽い重量だけ」でいいの?
ここは少し注意が必要です。
この研究から言えるのは、低重量でも筋肥大は起こりうる
ということであって、常に低重量だけがベストという意味ではありません。
なぜなら、目的によって優先順位が違うからです。
高重量が向いている人
- 筋力をしっかり伸ばしたい
- バーベル種目の記録を伸ばしたい
- スポーツで出力を上げたい
低重量が向いている人
- 自宅トレ中心
- 関節への不安がある
- 器具が限られている
- 筋肥大や引き締めが主目的
- 高回数のトレーニングが苦にならない
研究結果でも、筋力は高重量、持久力は低重量の得意分野がはっきり出ています。
一般の人はどう活かせばいい?
おなすなブログ向けに超実践的に言うと、こうです。
1. 見た目を整えたいなら、軽めでもOK
筋肉をつけたい、引き締めたい、ヒップアップしたい、という人は、
軽めの負荷で丁寧に回数をこなす方法でも十分チャンスがあります。
2. 重量にこだわりすぎなくていい
「5kgしか持てないから意味ない」
「家のダンベルじゃ軽すぎる」
と落ち込む必要はありません。
大切なのは、
効かせること、回数をこなすこと、最後の数回がきつくなること
です。これは研究の25〜35回群の考え方にも通じます。
3. でも“楽すぎる負荷”では足りない
この研究の低重量群は、ただ軽く動かしたわけではなく、高回数でかなりしっかりやっています。
なので、5回やって余裕、10回で終わり、では刺激不足の可能性があります。
おすすめの使い分け
理学療法士的には、こんな使い分けがおすすめです。
パターン1:初心者
- まずは軽い負荷〜自重
- 12〜20回くらいから始める
- フォーム重視
パターン2:自宅トレで筋肥大したい
- 軽め〜中くらいの負荷
- 15〜30回前後でしっかりきつくする
- セット後半でかなり効く設定にする
パターン3:筋力も伸ばしたい
- 高重量の日
- 低重量高回数の日
を分けるのもアリです。
この研究は二者択一で比較していますが、実際のトレーニングでは両方の良さを使い分けるのがかなり合理的です。
この研究の限界も知っておこう
良い研究ですが、限界もあります。
- 対象は若い筋トレ経験者の男性18人と少人数
- 期間は8週間
- 女性、高齢者、初心者、痛みがある人にはそのまま当てはめにくい
つまり、
すべての人に完全に同じ結論がそのまま当てはまるわけではない
ということです。
でも、それでもなお、
「高重量しか筋肥大しない」という思い込みを崩すには十分インパクトのある研究
だと思います。
よくある質問
Q. 軽いダンベルでも筋肉はつきますか?
この研究では、筋トレ経験者でも、低重量高回数で筋肥大が起きていました。
なので、軽いダンベルでも、きちんと刺激を入れられれば可能性はあります。
Q. 筋力をつけたいならどうしたらいい?
筋力向上は高重量群の方が有利でした。
重いものを持つ力そのものを伸ばしたいなら、高重量トレーニングが向いています。
Q. 引き締め目的なら高回数でいい?
かなり相性はいいです。
特に自宅トレや女性のボディメイクでは、低〜中負荷で回数を重ねる方法は現実的です。
ただし、楽すぎると刺激不足になります。
理学療法士としてのひとこと
この論文を読んで改めて思うのは、筋トレは“重さだけ”で決まらないということです。
もちろん、高重量には高重量の良さがあります。
でも、軽い負荷だから無意味、というわけではありません。
これは、運動を始めたい人にとってかなり希望のある話です。

- ジムに行けなくても
- 重いダンベルがなくても
- 関節に配慮しながらでも
工夫次第で筋肉に良い刺激は入れられる。その可能性を示してくれる研究だと思います。
まとめ
この研究の結論をシンプルに言うと、
軽い重量でも、しっかり高回数で追い込めば筋肥大は狙える。
でも、筋力を伸ばすなら高重量が有利。です。
つまり、
- 見た目や筋肉量 → 低重量でも可能性あり
- 最大筋力 → 高重量が有利
- 筋持久力 → 低重量が有利
という整理になります。

筋トレは、
「何が正解か」ではなく「何が目的か」で選ぶ
のがいちばん大事です。

