【真実】認知症は第3の糖尿病?日本糖尿病療養指導士のおなすな先生がわかりやすく解説

こんにちは、おなす君ことおなすな先生です🍆
最近、
- 「認知症は第3の糖尿病って本当?」
- 「糖尿病があると認知症になりやすいの?」
- 「血糖管理で認知症は防げるの?」
こんな疑問を持つ人が増えています。
結論からいうと、

“認知症=第3の糖尿病”と断定するのは言いすぎです。
ただし、糖尿病は認知機能低下や認知症の重要なリスク因子のひとつであり、特に中年期からの糖尿病管理はとても大切です。日本糖尿病学会の2024年ガイドラインでも、前向きコホート研究やメタ解析から、糖尿病は認知機能低下や認知症のリスク因子とされています。国立長寿医療研究センターも、中年期の糖尿病は高齢期の認知症リスクを高めると案内しています。
つまりこの記事のポイントは、
「第3の糖尿病」という言葉に振り回されるより、
糖尿病と脳のつながりを正しく知って、今からできる予防を始めることが大事
ということです。
この記事の結論
先に要点をまとめます。
- 認知症は正式に“第3の糖尿病”と診断される病気ではない
- ただし、糖尿病は認知症リスクを上げることが複数の研究とガイドラインで示されている
- 糖尿病は血管性認知症だけでなく、アルツハイマー型認知症のリスクとも関連する
- 大切なのは、血糖だけでなく、血圧・脂質・運動・睡眠・低血糖予防まで含めた管理
- 特に高齢者では、“下げすぎ”による低血糖も脳に悪影響になりうるため、個別管理が大事

WHOの認知症リスク低減ガイドラインでは、糖尿病は認知症リスク上昇と関連する医学的状態のひとつとされています。日本糖尿病学会も、高齢者糖尿病では認知機能を考慮した治療目標設定が重要としています。
そもそも「第3の糖尿病」って何?
まず一番大事なところです。
「第3の糖尿病」という言葉は、主に一部の研究や解説の中で、
アルツハイマー病とインスリン抵抗性・糖代謝異常の関連を表現する比喩的な言い方
として使われてきました。
でも、これは正式な病名ではありません。
WHOも、日本糖尿病学会も、認知症を「第3の糖尿病」という正式診断名として扱ってはいません。実際、WHOの認知症ファクトシートでは、認知症は症候群として説明され、糖尿病はそのリスクに関連する要因のひとつとして扱われています。日本糖尿病学会のガイドラインでも、「糖尿病は認知症リスク」と記載されており、「認知症=糖尿病そのもの」とはしていません。
つまりどういうこと?
わかりやすく言うと、
- 認知症は糖尿病そのものではない
- でも、糖尿病やインスリン抵抗性が脳の健康に悪影響を与える可能性は高い
- だから、「脳と糖代謝は無関係ではない」と考えるのが自然
ということです。
糖尿病があると、本当に認知症になりやすいの?
答えは、はい、なりやすい傾向があります。
日本糖尿病学会の2024年ガイドラインでは、糖尿病は認知機能低下や認知症のリスク因子とされています。ADAの高齢者糖尿病に関するStandards of Careでも、糖尿病のある人は正常血糖の人より、全認知症・アルツハイマー病・血管性認知症の発症率が高いと記載されています。国立長寿医療研究センターも、中年期の糖尿病は高齢期の認知症増加と関連すると説明しています。
どのタイプの認知症と関係する?
糖尿病は特に、
- 血管性認知症
- アルツハイマー型認知症
- 混合型認知症
との関連が指摘されています。国立長寿医療研究センターのQ&Aでも、高齢者の糖尿病ではアルツハイマー型認知症、血管性認知症、混合性認知症になりやすいとされています。
なぜ糖尿病と認知症がつながるの?
ここをわかりやすく整理します。
1. 血管が傷みやすい
糖尿病が続くと、動脈硬化が進みやすくなります。
すると脳の血流も悪くなりやすく、脳梗塞や微小な血管障害が起こりやすくなります。これは血管性認知症の大きな原因です。国立長寿医療研究センターは、高血圧や糖尿病で動脈硬化が進むと、脳梗塞や脳出血をきたし、血管性認知症の危険が高まると説明しています。
2. 高血糖が脳に悪影響を与える可能性
糖尿病では慢性的な高血糖やインスリン抵抗性が起こります。
これが脳内のエネルギー利用や炎症、アルツハイマー病関連の病理に関与する可能性が研究されています。アルツハイマー協会の資料でも、高血糖レベルとアルツハイマー病関連蛋白との関連が紹介されています。
3. 低血糖も危ない
意外と見落とされがちですが、血糖を下げすぎることも問題です。
高齢者糖尿病では、重症低血糖が認知機能低下や生活機能低下に関わるため、血糖目標は年齢・ADL・認知機能・併存疾患などを見ながら個別設定するべきだと、日本糖尿病学会とADAの両方が示しています。
つまり、高すぎてもダメ、下げすぎてもダメというのが高齢者糖尿病の難しいところです。
「糖尿病があると必ず認知症になる」の?
それは違います。
糖尿病はあくまでリスクを上げる因子です。必ず認知症になるわけではありません。
WHOやLancet委員会の報告では、認知症には複数の修正可能な危険因子があり、糖尿病もその中のひとつです。2024年Lancet Commissionでは、約45%の認知症は複数の修正可能な要因への対応で予防可能性があるとされています。
つまり、糖尿病があっても
- 血糖を整える
- 血圧も管理する
- 運動する
- 睡眠を整える
- 禁煙する
- 社会参加を保つ
などを意識することで、リスク低減は十分狙えます。WHOの認知症リスク低減ガイドラインでも、身体活動、禁煙、健康的食事、高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満管理が推奨されています。
日本糖尿病療養指導士として伝えたいこと
ここはかなり大事です。
糖尿病の人が認知症予防を考えるとき、
「血糖さえ下げればいい」と思ってしまう人がいます。
でも実際は、もっと全体で考える必要があります。
認知症予防のために大事なこと
1. 血糖コントロールを“安全に”整える
血糖管理は重要です。
ただし高齢者では、厳しすぎる管理で低血糖を起こさないことも同じくらい重要です。日本糖尿病学会は、高齢者の血糖目標は認知機能、ADL、低血糖リスクなどを考慮して個別設定するとしています。
2. 血圧も一緒に見る
糖尿病だけでなく、高血圧も認知症リスクと関係します。
国立長寿医療研究センターは、中年期の高血圧や糖尿病が高齢期の認知症リスクに関係するとしています。Lancet Commissionでも高血圧は重要な修正可能因子です。
3. 運動はかなり大事
運動は、血糖、血圧、体重、睡眠、気分、脳血流など、いろいろな面に良い影響があります。WHOは身体活動を認知機能低下・認知症リスク低減のために推奨しています。
4. 肥満・生活習慣も見直す
中年期の肥満や2型糖尿病は、のちの認知症リスクと関連します。アルツハイマー協会の資料でも、肥満・糖尿病・認知機能低下の関連が整理されています。
5. 低血糖を軽く見ない
「ちゃんと下げているから優秀」ではなく、低血糖を起こさない管理こそ大事
という視点が必要です。特に高齢者ではなおさらです。
認知症予防として、今日からできること
ここは実践編です。
食事
- 主食・主菜・副菜をそろえる
- 甘い飲み物を減らす
- 食べすぎを防ぐ
- 極端な糖質制限より、続けやすい調整を重視
運動
- まずは歩く
- できれば週2〜3回の筋トレ
- 長時間座りっぱなしを減らす
WHOは、身体活動が認知機能低下や認知症リスクを減らす可能性があるとして推奨しています。
睡眠
- 寝不足を続けない
- 昼夜逆転を避ける
- いびきや無呼吸が強いなら相談する
服薬・通院
- 自己判断で薬をやめない
- 低血糖の症状を知る
- HbA1cだけでなく、生活機能も主治医と相談する
よくある質問
Q. 認知症は本当に糖尿病が原因なんですか?

原因が糖尿病だけとは言えません。
ただし、糖尿病は認知症リスクを高める重要な因子のひとつです。
Q. アルツハイマー病は第3の糖尿病なんですか?

研究上の比喩として使われることはありますが、正式な病名ではありません。
一般向けには「脳と糖代謝には関連があるが、認知症そのものが糖尿病という意味ではない」と理解するのが安全です。
Q. 糖尿病があったら、もう防げませんか?

そんなことはありません。
血糖、血圧、運動、睡眠、禁煙、体重管理などでリスク低減は十分目指せます。
Q. 高齢者の血糖は厳しく下げるべきですか?

一律ではありません。
高齢者では、認知機能、ADL、低血糖リスクを考慮して個別に目標を決めるのが基本です。
日本糖尿病療養指導士としてのひとこと
「認知症は第3の糖尿病」という言葉は、インパクトがあります。
でも、その言葉だけが一人歩きすると、
- 認知症を単純化しすぎる
- 糖尿病の人を不必要に怖がらせる
- 逆に正しい予防のポイントが見えにくくなる
という問題もあります。
本当に大事なのは、
糖尿病がある人は、脳の健康も“合併症管理の一部”として考えることです。
目の合併症、腎臓の合併症、神経障害だけでなく、
認知機能や生活機能も守る。
この視点が、これからの糖尿病ケアではとても重要だと思います。日本糖尿病学会の高齢者糖尿病ガイドラインでも、認知機能を踏まえた治療方針が重視されています。
まとめ
結論です。
認知症は正式に“第3の糖尿病”ではありません。
ただし、糖尿病は認知症の重要なリスク因子のひとつであり、特に中年期からの管理が大切です。
そして予防のポイントは、
- 血糖を安全に整える
- 低血糖を防ぐ
- 血圧や脂質も管理する
- 運動する
- 生活習慣を整える
この積み重ねです。
怖がりすぎる必要はありませんが、軽く見ていい話でもありません。

糖尿病の管理は、血糖値だけではなく、将来の“脳の元気”を守ることにもつながる。
そう考えると、日々の療養の意味が少し変わって見えてくるはずです。

