みなさんは履く靴の種類によっても姿勢への影響や腰痛を引き起こす引き金になっていると知っていますか?スタイルをよく見せたい、身長を高く見せたいといったマインドから靴を選んでいませんか?
この記事は腰の負担を減らす靴を現役理学療法士で足の専門外来(フットケア)での経験も踏まえ少しでも腰痛やポッコリお腹で悩まれている方の助けになれればと思います
この記事はこんな方におすすめです
腰痛になりやすいワースト1の靴とは?
結論
はい、腰痛の原因となりうるワースト1の靴は「「ハイヒール」です!
まさかだと思ったあなた もしこの先もハイヒールを履かなければいけないとしても
少し考え直した方がいいかもしれません
ハイヒールのメリット・デメリットとは
この靴のメリットはなんでしょうか?
- 脚が長く見える
- 身長が高く見える
- スタイルがよく見える
- 魅力度が上がる
ほとんど外見的な理由が多いですよね!
足の専門外来(フットケア)で勤務経験のある現役理学療法士且つ日本糖尿病療養指導士のおなすくんが自身の経験を基にハイヒールのデメリットをお伝えします
ハイヒールのデメリット 6つ
確かにハイヒールを履くことで上記のような外見的な魅力度はあがるかもしれません
しかし、腰や足への負担はかなり増大します
毎日仕事でハイヒールを履かなければいけない方は特に注意が必要です
- 腰が反りやすくなり腰の負担が増大する
- 外反母趾になりやすくなる
- 膝が過伸展しやすくなり膝の負担が増大する
- つま先を上げる筋肉(前脛骨筋)の筋力低下が起きやすく、普段裸足で歩く際につまづきやすくなる&むくみやすくなる
- 捻挫しやすくなる
- 腹圧が下がる為、ぽっこりお腹になりやすくなる
①腰が反りやすくなり腰の負担が増大する
もともと人間の背骨は横から見るとSの字状にカーブしています
このカーブが崩れると腰痛になりやすいと言われております
ハイヒールを履くことでこの背骨の「腰椎」の部分が反りやすくなり腰痛の原因となりやすくなります
わかりやすく言うと、ハイヒールを履いている時の姿勢は、「つま先立ち」で立っている状態に近いので、その状態だと腰は反りやすくなります
さらに反り腰になることで、反っている腰部の靭帯や筋肉は押しつぶされる負担を受けやすくなり腰痛になりやすくなると言われています
反り腰に関してはこちらの記事も参考にしてみてくだい
②外反母趾になりやすくなる
また、怖いのが「外反母趾」にもなりやすくなるということです
ハイヒールはつま先側の横幅が狭く、さらにつま先立ちの状態でいる為、足の親指にかなりの負担がかかり行き場のなくなった親指は内側に変形していきます
これがいわゆる外反母趾です
この外反母趾の多くの原因が履く靴が原因とも言われています
外反母趾になるとバランス能力も低下しやすく転びやすくもなります
若いうちはいいですが、高齢になっていくと転ぶことは骨折などの大きなケガに直結します
なので外反母趾を予防するためにもハイヒールは控えた方がいいかもしれません
③膝が過伸展しやすくなり膝の負担が増大する
上記にも記載しましたが、ハイヒールを履くことでいわゆる「つま先立ちの状態」となります
そうなると膝にはどんな影響があるのでしょうか?
本来膝は正座のように曲がることはできても伸ばすのには限界があります
しかし、ハイヒールを履くことで膝が「過伸展」しやすくなるのです
この過伸展は医療業界では「Back knee」(反張膝)とも呼ばれています
女性に多く特にハイヒールを履いている女性はほとんどがこの「Back knee」(反張膝)になりやすいと言われております
この反張膝になると膝を伸ばすための大きな筋肉である「大腿四頭筋」の筋力があまり使われません
そうなると膝の負担が増えるだけではなく、足も太くなりくなります
私が整形外科クリニックで勤務していた時も足の専門外来であるフットケア外来で勤務していた時にもこのハイヒールを履いていた女性のほとんどが外反母趾で腰痛もあり膝も過伸展している方が多かったのを覚えています
④つま先を上げる筋肉(前脛骨筋)の筋力低下が起きやすく、普段裸足で歩く際につまづきやすくなる
ハイヒールを履いているとスニーカーなどを履いているのと比べると
つま先は下に下がっていますよね?
そうなると普段からつま先を下げる筋肉は収縮しますがつま先を上げる筋肉は
使わないままになりやすいです
そうなるとなにがいけないでしょうか?
つま先を上げる筋肉を「前脛骨筋(ぜんけいこつきん)」と呼ぶのですが
この筋肉は人間が歩く上で一番使う筋肉と言われています
さらにこの筋肉が弱いと床にある物や段差などに突っかかりやすくなり転倒の原因となります
またふくらはぎの筋肉「下腿三頭筋(かたいさんとうきん)」がずっと収縮したままになるので足が疲れたりむくんだりする原因となります
⑤捻挫しやすくなる
つま先立ちで立っている時と、裸足で立っている時
どちらが捻挫しやすいと思いますか?
理由をわかりやすく説明すると
われわれ人間の足はつま先立ちの時は足首がやわらかくなり(遊びがおおきくなる)
裸足で立っている時は足首がかたくなります(遊びがすくなくなり安定しやすくなる)
それは歩くときに身体を前にスムーズに送り出すためには足首の遊びが大きい方がよくて
逆に最初に足をつくときには足首は安定していた方がいいので遊びがすくなくなる必要があります
しかしハイヒールを履いていると常に足首の遊びが大きく不安定になりやすいので
捻挫しやすくなります
なので捻挫を頻繁に繰り返している方は
靴を変えるのをおすすめします
⑥腹圧が下がる為、ぽっこりお腹になりやすくなる
前にもお伝えしたように
腰が反りやすくなるとお腹の筋肉は「off」になりやすくなります
なぜかというと、腰を反ることで腹筋を使わなくても姿勢を保つことができるからです
なので腹筋がお留守番になり腹圧が下がりやすくなり
結果、内蔵が下に下がりやすくなりポッコリお腹になりやすくなります
なのでハイヒールを履きつま先立ちの状態になると
腰の骨(腰椎)は反りやすくなり、同時に腹筋も使いにくくなり腰痛やポッコリお腹の原因となります
ではどんな靴がいいのか?
結論
そう、スニーカーです!
そもそも靴には目的があります
みなさんなにかわかりますか?
足を保護し機能を補助する
この機能を補助する為に一番理にかなっている靴が
スニーカー(運動靴)です
スニーカーは歩きやすく転倒リスクも軽減し、姿勢にもいいです
靴の機能で重要なもの
さらに靴の機能で重要なのが以下のもにになります
- カウンター
- ひもなどの調整具
- シャンク
カウンター
歩行時にかかとのゆがみを安定させる機能があります
これがないもしくはカウンターがやわらかい靴は履き口が広がっていることが多くかかとのゆがみを抑制することができません。
かかとのゆがみは靴擦れにつながる可能性や不安定な歩行を助長してしまいます。
最初から踵部がすぐに折れ曲がってしまう靴、踏みつけられて踵部が柔らかくなってしまた靴は足のかかとを保護してくれません
ひもなどの調整具
調整具というのはゴム・ひも・ベルト・マジックテープ・ファスナーなどがあげられます
みなさんは家の中では靴を脱ぎますよね?
日本人は靴を脱ぐ文化があるため、調整具を緩めて歩行をしている方が非常に多いです
その方が脱ぎはぎがしやすくで楽だからです
しかし、調整具をゆるめて歩いていると足の指が滑って前方に移動してしまいます。
それにより靴の中で足がずれてしまいバランスが崩れ腰痛の原因になりかねません
さらに糖尿病を罹患している方に多い足病変を助長させてしまうリスクが高まります
シャンク
硬く合成した紙や金属からなります
スニーカーを曲げるとぐにゃっと曲がりませんか?その靴はこのシャンクが入っていない可能性があります
このシャンクは靴のゆがみを抑制するのと足の指でのけりだしを円滑にする機能があります。
シャンクがない靴の代表的なのが「パンプスやハイヒール」です
足部がぐにゃっと曲がってしまうので足の指でのけりだしが円滑にできません。
まとめ
今回は私が整形外科クリニックやフットケア外来、さらには総合病院に至るまでかなり多くの患者さんの履いている靴を評価してきました
その経験をもとに靴の種類によって腰痛やぽっこりお腹、捻挫など様々な原因の一要因となりかねないものをお伝えさせて頂きました
私からの個人的な見解は
パーティーやデートなどの一時的にハイヒールを履く分には全然いいと思います
なぜならハイヒールは女性の魅力を高めてくれるからです
しかし、仕事や普段履きとしてはおすすめできません
普段履きでおすすめはダントツでスニーカーです
最後まで読んで頂きありがとうございました